前回の記事では、御社のホームページがAIにどう見られているかを、自分で確かめる方法をご紹介しました。実際に試してみて、「あまり出てこなかった」「古い情報で紹介されていた」と、少し気になる結果だった方もいるかもしれません。

そこで今回は、「では、何から手をつければいいのか」をお話しします。

最初にお伝えしておきたいのは、いきなり全部をやろうとしなくていい、ということです。AI対応と聞くと、何かむずかしい専門的な作業を想像されるかもしれません。でも実は、効果が大きいのに、ご自身でもできる、やさしい一歩がいくつもあるのです。今日はその中から、特に大事な3つをご紹介します。難しい話は抜きにして、「明日から手をつけられること」だけをお伝えします。

まず、会社の基本情報を「正しく・くわしく」書く

実は、AIに見つけてもらうために一番効くのに、多くの会社が見落としている第一歩があります。しかも、お金も、特別な技術もいりません。

それは、御社の基本的な情報を、正しく、そしてくわしく書くこと。これだけです。

前回お話ししたように、AIは「物覚えはいいけれど、御社のことをまだよく知らない案内役」のようなものでした。その案内役にきちんと働いてもらうには、まず御社の「名刺」にあたる情報を、はっきり伝えてあげる必要があります。

具体的には、こんな情報です。正式な会社名。所在地。電話番号やお問い合わせ先。営業時間や定休日。対応しているエリア。提供しているサービスの内容。——どれも当たり前のことに思えますよね。でも、いざ自社のサイトを見直してみると、「電話番号はあるけれど住所が抜けている」「サービス内容が、何年も前のまま」「対応エリアがどこにも書いていない」といったことが、驚くほどよくあるのです。

人間のお客さまなら、多少情報が足りなくても「まあ、問い合わせればいいか」と補ってくれます。でもAIは、書いていないことは「ない」ものとして扱います。書いていない情報は、AIがお客さまに紹介しようがないのです。

ですから、まずはご自身のサイトを開いて、「初めて御社を知る人が、知りたいと思う情報が、ちゃんと全部そろっているか」を、お客さまの目線で見直してみてください。古くなっている情報があれば、今の正しい内容に直す。足りない情報があれば、書き足す。この地味な作業が、実は一番効く第一歩なのです。

「誰がやっているのか」が伝わるようにする

2つめの一歩は、「この会社は、どんな人がやっているのか」を、きちんと伝えることです。

少し想像してみてください。同じサービスを紹介している2つのホームページがあったとします。片方は、会社名とサービス内容が書いてあるだけ。もう片方は、代表者の名前と顔写真があり、「この道25年」といった経歴や、どんな思いで仕事をしているかが書かれている。——どちらに、安心して問い合わせたくなるでしょうか。

多くの方が、後者を選ぶはずです。そして実は、AIもまったく同じように考えるようになってきました。

AIは近年、「その情報を、誰が発信しているのか」をとても重視するようになっています。どこの誰が書いたかわからない情報より、経験や実績がはっきりしている、信頼できる発信者の情報を選んで、お客さまに紹介しようとするのです。これは人間の感覚そのままですよね。

では、具体的に何を書けばいいのか。むずかしいことはありません。たとえば、こんなことです。

代表者やスタッフの名前と、できれば顔写真。この仕事を何年続けてきたか。これまでにどれくらいの実績があるか。どんな資格や専門性を持っているか。なぜこの仕事をしているのか、という思い。——こうした「人となり」や「たしかさ」が伝わる情報を、サイトにきちんと載せること。それだけで、御社は「顔の見える、信頼できる会社」として、AIにもお客さまにも認識されやすくなります。

たとえば、リフォーム会社であれば、「現場一筋25年の職人が、自社施工で対応します」と書き、施工した人の顔写真や、これまでの施工事例を載せる。「リフォーム」という検索結果に無数の会社が並ぶ中で、こうした具体的な”たしかさ”があるだけで、AIもお客さまも「ここは信頼できそうだ」と判断しやすくなります。

この「誰がやっているか」は、業種によって重みが変わります。特に、お客さまが慎重に選ぶ業種——たとえば、クリニックや士業、医療・健康に関わる分野——では、決定的に重要になります。「どんな経歴の先生が診てくれるのか」「監修しているのは誰なのか」がはっきりしているかどうかが、信頼を大きく左右するからです。実際、こうした分野では、発信している人の専門性や資格がしっかり示されているサイトを、AIが優先して紹介する傾向が、はっきりと表れています。

そして、ここが大事なところなのですが——この「誰がやっているか」をはっきり示せることは、特に小さな会社や、個人で事業をされている方にとって、大きな強みになります。

大きな会社のサイトは、しっかりしている一方で、どこか「会社」としか伝わらず、顔が見えないことがあります。でも、小さな会社や個人事業なら、「この人が、この思いで、これだけの経験を積んでやっています」と、具体的に語ることができる。その”顔の見えるたしかさ”こそ、これからの時代に、AIにもお客さまにも選ばれる理由になっていくのです。

ですから、もし御社のサイトに、こうした「人となり」が見える情報が少なければ、ぜひ書き足してみてください。立派な文章でなくて構いません。等身大の言葉で、「どんな人が、どんな思いでやっているのか」を伝える。それが、何よりの信頼の証になります。

お客さまの「よくある質問」に、答えておく

3つめの一歩は、お客さまが知りたがることに、あらかじめ答えておくことです。具体的には、「よくある質問」をまとめたページや、コーナーを作ることをおすすめします。

なぜ、これが効くのか。理由はとてもシンプルで、AIの仕事は、まさに「質問に答えること」だからです。

考えてみてください。お客さまはAIに、「リフォームの費用ってどれくらい?」「工事のあいだ、家には住めるの?」「保証はついているの?」といった、具体的な疑問をぶつけます。このとき、もし御社のサイトに、その質問への答えがすでに書いてあったらどうでしょう。AIは、わざわざ自分で考えるまでもなく、御社のサイトにある答えをそのまま取り上げて、お客さまに紹介できます。いわば、案内役に「台本」を先に渡しておくようなものです。

しかも、お客さまがAIに聞く質問は、たいてい具体的で、こまかいものです。「リフォーム会社」と漠然と調べる人より、「水戸 リフォーム 費用 相場」のように、具体的に知りたいことがある人のほうが、実際に依頼に近いお客さまです。そうした具体的な疑問に、御社のサイトがちゃんと答えていれば、依頼に近いお客さまほど、御社にたどり着きやすくなるのです。

作り方も、難しくありません。新しく質問をひねり出す必要はなくて、「実際に、お客さまからよく聞かれること」を思い出して、書き出すだけです。電話やメールで、いつも同じことを聞かれるな、ということが、どの会社にもあるはずです。それこそが、書くべき質問です。

ひとつコツがあります。質問は、会社っぽいかしこまった言葉ではなく、お客さまが実際に口にするそのままの言葉で書くこと。「料金体系についてのご案内」より、「リフォームって、結局いくらかかるの?」のほうが、AIにもお客さまにも届きます。なぜなら、お客さまは後者の言葉で質問するからです。

この「よくある質問」を用意しておくことは、AI対策になるだけでなく、いつも同じ問い合わせに答える手間を減らしたり、お客さまの不安を先に解消してあげたりと、いいことずくめです。ぜひ、御社が普段よく聞かれることから、書き出してみてください。

ここから先は、専門家の領域です

ここまで、ご自身でできる3つの一歩——基本情報を正しく書く、誰がやっているかを伝える、よくある質問に答える——をご紹介してきました。この3つは、どれもお金や特別な技術がなくても始められて、しかも効果の大きいものばかりです。まずはここから手をつけていただければ、それだけで十分に前進です。

ただ、正直にお伝えしておきたいことがあります。AIに見つけてもらうための工夫には、この先に、もう少し専門的な領域があります。

たとえば、前の章で少し触れた、情報に”機械向けのラベル”を付ける作業(専門的には構造化データと呼ばれるものです)。あるいは、サイトの表示速度を速くしたり、スマートフォンで見やすく整えたり、検索エンジンに正しく認識してもらうための裏側の設定を見直したり——こうした部分は、目には見えにくいけれど、AIや検索からの評価に確実に関わってきます。

これらは、専門の知識がある人が手を入れたほうが、確実で、安全です。慣れない方が見よう見まねで触ると、かえってサイトの調子を崩してしまうこともあります。ですから、ここから先は無理にひとりで抱え込まず、「餅は餅屋」で、専門家に任せていい部分だと考えてください。

大切なのは、すべてを自分でやることではなく、「今、自分のサイトに何が足りていて、何が足りていないのか」を知っておくことです。それさえわかっていれば、専門家に相談するときも、「うちは何をしてほしいのか」を、はっきり伝えられます。

小さな一歩から、はじめてみてください

3回にわたって、AI時代のホームページについてお話ししてきました。最初に「お客さまの探し方が変わってきた」という気づきから始まり、「自分のサイトの今の状態を確かめる方法」、そして今回の「何から手をつければいいか」。ここまで読んでくださった御社は、もうこの変化に、十分に向き合えています。

完璧を目指す必要はありません。今日ご紹介した3つのうち、ひとつでも、今週のうちに手をつけてみる。それだけで、御社のホームページは、確実に一歩前へ進みます。

そして、もし「自分のサイトの足りないところを、専門の目で見てほしい」「どこから手をつけるべきか、一緒に考えてほしい」と思われたら、いつでもご相談ください。御社のホームページが、これからの時代にきちんとお客さまと出会えるよう、現状の確認から、その先の整え方まで、ご一緒にお手伝いします。