前回の記事で、「これからのホームページは、AIに正しく見つけてもらうことが大事になる」というお話をしました。そして最後に、「まずは、今ご自身のサイトがAIにどう見られているかを確かめてみましょう」とお伝えしました。
今回は、その確かめ方を具体的にご紹介します。
お手元にスマートフォンかパソコンをご用意して頂ければ、数分でできます。
用意するものは、AIひとつだけ
使うのは、ChatGPTのような対話できるAIです。無料で使えるもので十分です。「ChatGPTって、登録がむずかしそう」と感じる方は、いつもお使いの検索でも構いません。最近はGoogleで検索すると、結果の一番上にAIがまとめた回答が出てくることが多いので、それを見るだけでも、大凡の様子はつかめます。
やることは、とてもシンプルです。「お客さまになったつもりで、AIに質問してみる」だけ。お客さまが御社を探すとき、どんなふうに聞くだろう——それを想像して、同じ質問をAIに投げかけてみるのです。
ポイントは、自分が「会社の中の人」だということをいったん忘れることです。
普段、私たちは自社のことをよく知っているので、つい「うちはちゃんとしている」と思いがちです。でもお客さまは、御社のことを何も知らない状態で探し始めます。その「何も知らないお客さま」になりきって聞いてみると、思いがけない発見があります。
お客さまになりきって、3つの質問を投げてみる
それでは、実際にAIに質問してみましょう。やみくもに聞くより、次の3つのパターンで試すと、御社の「今の状態」がはっきり見えてきます。会社名は「○○」、業種は「△△」、地域は「□□市」のように、御社の情報に置き換えて読んでください。
質問① 会社名を出さずに、業種と地域で聞いてみる
まず、お客さまが御社をまだ知らない、という前提で聞いてみます。
「□□市で△△を頼むなら、どこがおすすめですか?」
(例:「水戸市でリフォームを頼むなら、どこがおすすめですか?」)
これは、お客さまが一番最初にする質問に近いものです。ここで御社の名前が挙がってくるかどうか。これが、最初の大きなチェックポイントです。名前が出てこなければ、お客さまは御社にたどり着く前に、別の会社を選んでしまっているかもしれません。
質問② 会社名を出して、直接聞いてみる
次に、御社の名前を出して、AIが御社をどう理解しているかを確かめます。
「○○(御社名)は、どんな会社ですか?」
(例:「○○リフォームは、どんな会社ですか?」)
ここで返ってくる答えを、よく読んでみてください。事業内容は合っていますか? 対応エリアや、提供しているサービスは、今の御社と一致していますか? もし「そんなサービス、もうやっていないのに」「それは何年も前の話なのに」という説明が混じっていたら、要注意です。お客さまは、その古い情報を信じてしまうかもしれません。
質問③ 競合と並べて聞いてみる
最後に、ライバルと比べたときの立ち位置を見てみます。
「□□市で評判のいい△△の会社を、いくつか教えてください」
(例:「水戸市で評判のいいリフォーム会社を、いくつか教えてください」)
ここで、どの会社の名前が挙がってくるか。御社が入っているか、それとも競合ばかりが並んでいるか。もし競合の名前ばかりが出てきて御社が入っていなければ、お客さまの選択肢の中に、そもそも御社が入れていない、ということになります。
この3つを試してみると、たいてい「あれ?」という発見があります。「思ったより、ちゃんと出てくるな」と安心することもあれば、「全然出てこない」「古い情報で紹介されている」と驚くこともある。どちらにしても、それが御社の「今の本当の状態」です。まずはそれを、自分の目で見てみることが大切なのです。
返ってきた答えを、3つのパターンで受け止める
質問してみると、返ってくる答えはだいたい次の3つのパターンに分かれます。御社はどれに近かったか、思い出しながら読んでみてください。
パターンA:そもそも、御社が出てこない
業種と地域で聞いても(質問①)、競合と並べて聞いても(質問③)、御社の名前が出てこなかった——。これは、AIがまだ御社の存在を、お客さまに紹介できるほど認識していない状態です。
がっかりされるかもしれませんが、これはとても多いパターンで、珍しいことではありません。多くの会社のホームページは、人が読む分にはよくできていても、AIが理解しやすい形にはなっていないからです。裏を返せば、ここを整えれば、まだ競合が手をつけていない今のうちに、一歩抜け出せる余地がある、ということでもあります。
パターンB:出てくるけれど、情報が古い・間違っている
会社名で直接聞いたとき(質問②)、御社の名前は出てきたものの、「もうやめたサービス」が紹介されていたり、古い所在地や定休日が書かれていたり、事業内容が微妙にずれていたり——。これがパターンBです。
実は、これが一番こわいパターンかもしれません。なぜなら、AIは間違った情報でも、自信たっぷりに、なめらかな文章で答えるからです。お客さまは「AIが言うのだから」と、その内容を信じてしまいます。御社の知らないところで、御社についての”少し違う話”が、もっともらしく広まってしまっている。そんな状態です。
パターンC:正しく、ちゃんと出てくる
質問①〜③のいずれでも、御社の名前が挙がり、紹介されている内容も今の御社と合っている——。すばらしい状態です。御社のホームページは、AIにきちんと伝わっています。
ただ、ここで安心して終わりにしないでください。見てほしいのは、競合と並べた質問③で、御社が「何番目に、どんなふうに」紹介されていたか、です。競合のほうが先に、より魅力的に紹介されていないか。同じ土俵に立てていても、その中での見え方には、まだ差がつく余地があります。
3つのパターンを並べてみると、見えてくることがあります。どのパターンであっても、「整えれば、もっと良くなる余地がある」という点では同じだ、ということです。出てこないなら認識してもらう。間違っているなら正す。正しく出ているなら、さらに選ばれやすくする。やるべきことの方向は、現状によって違うだけで、進める道はちゃんとあるのです。
結果に、一喜一憂しなくて大丈夫
ここまで試してみて、思わしくない結果だった方もいるかもしれません。でも、大丈夫です。
最後に、結果との付き合い方を3つお伝えします。
ひとつめ。AIの答えは、毎回少しずつ変わります。同じ質問をしても、日によって、聞き方によって、返ってくる答えは違います。ですから、一度出てこなかったからといって、それがすべてではありません。日を変えて、聞き方を少し変えて、何度か試してみてください。何度やっても出てこない、何度やっても情報が古い——そこで初めて、それが本当の「今の状態」だとわかります。
ふたつめ。完璧を目指して、一気に直そうとしないでください。これは健康診断と同じです。結果が出たからといって、明日からすべての生活を変えられないのと同じで、サイトも一度に全部は変えられません。気になったところから、一つずつ。まずは「今、こうなっている」と知れたこと、それ自体が、立派な一歩です。
みっつめ。自分でできることと、専門家と一緒にやったほうがいいことがあります。「AIにどう見られているか確かめる」ことは、今日ご紹介した通り、ご自身でできます。けれど、「なぜそうなっているのか」「どう直せばいいのか」を見極めるのは、少し専門的な目が必要になることもあります。無理にひとりで抱え込まず、必要なときは頼ってください。
まず「今」を知ることが、すべての出発点
ホームページがAIにどう見られているか——それは、これまで多くの方が気づきもしなかった、”見えない通信簿”のようなものです。今日、その通信簿を自分の目で見る方法を知っていただけたなら、それだけで大きな前進です。
前回もお伝えしたように、ホームページは「作って終わり」ではなく、時代に合わせて育てていくものです。そして何かを育てるとき、まず必要なのは「今どうなっているか」を正しく知ること。今日の確認は、その出発点です。
もし確かめてみて気になることがあったら、あるいは「原因や直し方まで、一緒に見てほしい」と思われたら、どうぞお気軽にご相談ください。御社のサイトが今どう見られているかを一緒に確認し、これからどう整えていくかを、ご一緒に考えます。